「自己破産したら仕事で使っている設備や道具はどうなるの?」
「自己破産後もお店を続けられる?」
個人事業主の方や自営業の方は、自己破産した場合にお店や財産がどうなるのか、とても気になると思います。
できれば自己破産後もお店や事業を続けたいですよね。
個人事業主が自己破産をすると、お店や事業を続けるのは正直難しくなります。
ただし、事業の継続が決してできないというわけではありません。
事業の内容によっては、自己破産後も継続できる可能性があります。
また自己破産をせずに個人再生という方法を選べば、事業を継続できるかもしれません。
そこで今回は、自営業者の方・個人事業主の方向けに自己破産後の財産への影響やお店を継続する方法、個人事業主の自己破産のやり方について紹介します。
個人事業主が自己破産するとお店や事業の継続は難しくなる
冒頭でも紹介しましたが、個人事業主や自営業者が自己破産をすると、お店や事業を続けるのは難しいです。
事業の継続が難しくなる理由は以下の3つあります。
事業の継続が難しくなる理由
- 個人事業やお店を継続に必要な契約が解消される
- 個人事業主や自営業者が自己破産すると取引先を失う
- 自己破産をすると運営資金の確保が難しくなる
順番にくわしく解説しましょう。
個人事業やお店を継続に必要な契約が解消される
個人事業主や自営業者が自己破産をした場合、ライフラインに関わる契約(水道・ガス・電気など)以外は、解約しなければなりません。
たとえば、以下のような契約は解約することになります。
自己破産で契約解除になるもの
- 従業員との雇用契約
- 事業所・工場などの賃貸借契約
- 請負契約
- リース契約
上記以外の契約も、お店や会社名義の契約はすべて解消されるため、業種によっては自営の継続は極めて難しくなります。
とくに飲食店といった、店舗を構えて事業を行っていた場合は、運営に必要な多くの契約を解除することになるため、事実上閉店せざるを得ない状況になってしまうのです。
個人事業主や自営業者が自己破産すると取引先を失う
自己破産をすると、返済ができなくなったすべての借金の支払い義務が免除されます。
借金がなくなると、返済に頭を悩ませる必要がなくなります。
しかし、裏を返せば取引先への支払いもしなくてよいということ。
経営不振に陥った原因はどうであれ、大切な取引先に対し損失を与えてしまうため、あなた自身の信用も落ちることになります。
破産したあとに、もう一度事業をはじめようとしても以前と同じような取引は見込めないでしょう。
自己破産をすると運営資金の確保が難しくなる
自己破産をすると、信用情報機関に破産情報が登録されます。
信用情報機関とは、クレジットやローンなどの「信用取引」に関する契約内容や、返済・支払状況・利用残高などの客観的取引事実を保管・管理している機関のことを言います。
信用情報機関に破産情報が登録されると、いわゆるブラックリスト入りしたと言われる状況となるのです。
自己破産すると、銀行の信用取引を管理している情報機関(KSC)に、10年間自己破産情報が登録されるため、その期間は新規借入・融資を受けることができません。
自己破産で財産の多くを失ったあとに、再度事業をはじめようとしても、事業に必要な資金を借りられないのです。
また個人事業主や自営業者の自己破産は、負債額が高額になることが多いため、自己破産の手続きにも100万円を超えるような費用がかかってしまうことがあります。
つまり自己破産をするのにお金がかかってしまい、事業の運営資金を用意できない状況に陥ってしまうのです。
条件によっては自己破産後も事業やお店を継続できる
自己破産をすると、廃業せざるをえない場合が多いと紹介しました。
ただし行っている事業や、残った財産によっては自己破産をしても継続して事業を続けることができます。
自己破産後も継続できる事業の特徴
自己破産をしても継続できる事業の特徴は次の3つです。
自己破産しても継続できる事業の特徴
- 店舗や事業所を契約することなく自宅でできる事業
- 高額な設備や機械が不要で、在庫が出ない事業
- 従業員や外部委託を使わずでにできる事業
飲食店といった店舗を構えて事業を行っていた場合は、自己破産後もおなじかたちで事業を続けることは難しいかもしれません。
ただ事業の規模を縮小したり、新しいやり方を取り入れることで上記の情景に当てはまれば、事業の継続はできます。
自己破産後に残った財産で事業を続けられる
自己破産をすると、すべての財産を失うと思われるかもしれませんが、実は差し押さえられない財産もあります。
それが自由財産といわれる財産です。自由財産とは、具体的に以下のものを指します。
自由財産の具体例
- 99万円までの現金
- 残高が20万円以下の預貯金
- 見込額が20万円以下の生命保険契約返戻金
- 処分見込みが20万円以下の車
- 居住用家屋の敷金債権
- 電話加入権
- 支払い見込額が160万円相当以下の退職金
- 家財道具
- 差押え禁止の不動産・動産
- 破産管財人が換価しないと認めた財産
この中でわかりにくにのは「差押え禁止の不動産・動産」だと思います。
簡単に紹介すると、農業、漁業、技術者などが業務に用いる道具のことを言い、民事執行法第131条には、差押え禁止動産について以下の内容が規定されています。
差し押さえ禁止動産
- 農機具、肥料、種や苗など
- 家畜やその飼料
- 水産物の捕獲や養殖に欠かせない器具、漁具、えさや稚魚など
- 大工道具、左官道具など
- 未公表の発明や著作物
参照)民事執行法第131条
一方上記の自由財産以外に所有している財産は処分されて、債権者に配当されてしまいます。
たとえば、お店の運営や事業の運営に必要な、以下のような設備や道具はほとんど没収されるでしょう。
自己破産で没収される設備や道具
- 設備・機械
- 飲食店等の食器や棚
- 備品
- パソコンなど周辺機器
- 工具類
- 自動車・バイク・運搬車両
- 営業所・店舗・工場などの不動産
- 事業保証金
- 事業用の保険
- 賃借不動産の敷金
- 有価証券
- 出資金
ただし、「自由財産拡張申立」という手続きをすれば、さらに多くの財産を残せるかもしれません。
自由財産拡張申立とは、破産手続開始決定後、「残せる財産の範囲を広げてください」と申請する手続きのことです。
ちなみに自由財産拡張の申立は、各裁判所によって運用が異なります。
東京地裁の場合は、一つひとつの財産別に自己破産した人にとって必要かそうでないかが判断基準とされるのに対し、大阪地裁を含め多くの地方裁判所は、現金を含め合計99万円までを上限として判断します。
このように、手続きをする裁判所や担当の破産管財人によって、自由財産を拡張できるかどうかは結果が違うでしょう。
自由財産の拡張が認められれば、業種によっては自己破産後にも自営を継続するための財産を残しておける可能性も出てくるというわけです。
自己破産ではなく個人再生をすれば事業を続けられる
個人事業主が自己破産すると、以下のように失うものが多く、破産後も商売を続けることはとても難しくなります。
個人事業主が自己破産で失うもの
- 自由財産以外の財産(持ち家、20万円以上の価値がある車、20万円以上の預貯金など)
- 自営を続けるのに必要な設備や道具(店や工場などの不動産、商品や備品、社用車など)
- 売掛金(まだ受け取っていない代金や報酬)
- 取引先との契約
- 信用
破産後に、自営業の継続に必要な設備や備品を手に入れたとしても、信用を取り戻すには時間がかかるでしょう。
ただどうしても、商売を続けながら借金の問題を解決したいという人には、個人再生という手段が残されています!
個人再生とは裁判所手続きのひとつです。
個人再生の申し立てが認められると、財産を手放すことなく借金が減額されます。
債務額 | 減額される金額 |
---|---|
100~500万円以下 | 100万円に減額 |
借金500~1500万円以下 | 5分の1 |
1500~3000万円以下 | 300万円に減額 |
3000~5000万円以下 | 10分の1 |
※ただし、借金総額が5,000万円(住宅ローンを除く)を超える場合は、個人再生の手続はできないので自己破産となる。
ただし個人事業主や自営業者が個人再生する場合、小規模個人再生という手続きになり、次の条件を満たしていなければ個人再生が認められません。
小規模個人再生の条件
- 借金の返済が困難になっている
- 個人再生後は、減額された借金を返済できる収入が見込める
- 再生計画案について半数以上の債権者の同意がある
※再生計画とは、借金をいくら減額して毎月いくら支払うかについて記載したもの。裁判所が、計画案について債権者の意見をふまえ認可することで借金が減額される。
もしあなたが「自己破産しか借金地獄から逃げ出す方法がない」とお店や事業の継続を諦めてしまっているなら、個人再生が可能かどうか専門家に相談してみることをオススメします。
個人再生の手続きをすれば、事業継続に必要な財産(設備や道具など)を残したまま、借金を大幅に減額することも可能です!(個人再生の相談はこちら)
個人再生の対象に当てはまらない場合は、自己破産での解決になるかと思うので、次に紹介する自己破産する方法を参考にしてください。
個人事業主や自営業者が自己破産する方法
自己破産には「管財事件」と「同時廃止事件」の2種類あります。
- 管財事件
債務者は財産を多く持っており、債権者に分配できる財産がある場合の手続き。
- 同時廃止事件
債務者は持っている財産が少なく、債権者に分配できない場合の手続き。
個人が自己破産をする場合、ほとんど同時廃止事件となることが多いのですが、個人事業主(自営業者)が自己破産するときは、原則管財事件として扱われます。
管財事件となる理由は、事業に使っていた設備や機械、売掛金といった財産があり、それらの財産一つひとつをしっかりと調査する必要があるからです。
ただし個人事業主でも、1社とだけ取引しており、一般的な社員と同じような働き方をしている人は、給与所得者と同じように同時廃止事件になる可能性もあります。
事業で使用する設備が取引先から借りていたものであれば、処分される財産も少ないはずです。
注意したいことは、自己破産する人が「管財事件」「同時廃止事件」のどちらかを自由に選べるわけではない、ということです。
個人事業主が自己破産する際は必ず、弁護士や司法書士といった専門家に相談しましょう。
個人事業主が自己破産する流れ
個人事業主が自己破産をする大まかな流れは次のとおりです。
以下の流れは、管財事件として扱われる場合を想定しています。
個人事業主の自己破産の流れ
- 弁護士や司法書士に相談する
自己破産したい旨を弁護士などの専門家に相談します。状況によっては自己破産以外の方法で、よりよい借金解決方法を提案して貰える場合もあります。まずは電話やメールから無料相談をしてみましょう(元裁判官の弁護士に無料相談!)。 - 受任通知が発送される
受任通知とは、自己破産手続きの申込みをしたと証明する通知のことです。債権者に受任通知が届くと、債権者は一切取り立てをしてはいけないと法律で決まっています。つまり受任通知されれば、債権者からの取り立てから解放されるということです。 - 債権の調査が行われる
受任通知には、債権者に対して取引内容の届出を依頼する文が書かれています。弁護士側は債権者から集めた取引内容から債権を調査します。個人事業主は弁護士費用や、裁判所で支払う予納金(管財人への報酬)の準備をします。 - 自己破産申立ての準備がはじまる
債権の調査と、弁護士費用や予納金の準備が整えば、自己破産申立ての準備が始まります。裁判所に申立てをしたり、書類の準備をしたりと大変ですが、弁護士と一緒に進めていけるので安心してください。 - 破産手続きの開始が決定
裁判所の決定により、自己破産手続きが開始されたら、裁判所から管財人が選ばれ、これから後の手続きは管財人を中心として進められます。 - 管財人による財産の調査と債権者集会
事業に使用していた財産は、管財人によってすべて調査され、売却後債権者に分配されます。債権者に財産を配当するために、債権者と直接面談がおこなわれます。(債権者集会) - 免責が確定する(手続き完了)
債権者集会を経て、問題がなければ免責が確定します。免責許可の通知が裁判所から送られてきたら、手続きは完了です。
管財事件ですと、すべての手続が完了するまでの期間は6ヶ月から1年ほどかかります。
同時廃止事件や、少額管財事件(予納金が少額で済む場合)として自己破産手続きをする場合は、残った財産が少ないことから、より短い期間で手続きが完了するでしょう。
自己破産の手続きにかかる期間
同時廃止事件 | 約3ヶ月~4ヶ月 |
---|---|
管財事件 | 約6ヶ月~1年 |
少額管財事件 | 約4ヶ月~6ヶ月 |
個人事業主が自己破産するのにかかる費用
個人事業主・自営業者は債権者数が多かったり、契約関係の解消など複雑な手続きがあるため、弁護士に依頼して自己破産手続きを進めることが多いです。
通常、弁護士に依頼した場合の弁護士費用の相場は次の通りです。
- 同時廃止・・・30万円~
自己破産の手続費用も所有財産もない人の手続き
- 管財事件・・・60万円前後
債権者や所有財産が多い人、または法人の破産手続き
- 少額管財事件・・・30万円~
債権者や財産調査が必要だが、高額ではない人の手続き
この3つの事件うち、自営業の場合は原則「管財事件」または「少額管財事件」として扱われるため、弁護士費用が60万円にもなります。
さらに破産管財人への報酬も支払わなければならないため、経済的負担はたいへん大きくなるでしょう。
では個人事業主が自己破産した場合、管財事件と少額管財事件でそれぞれ費用総額がいくらになるのかを紹介します。
管財事件の自己破産費用は約110万円
下表は一般的な管財事件にかかる費用です。
管財事件にかかる費用
弁護士費用 | 60万円前後 |
---|---|
管財人への報酬(予納金) | 50万円~ |
合計 | 110万円前後 |
参照)東京地裁破産事件手続費用
個人事業主が自己破産するためには、弁護士費用と予納金(管財人への報酬)あわせて110万円ほどかかることがわかります。
これはかなり高額ですよね。
事業で使用していた設備や道具を処分してしまったとしても、自分の手元にいくらも残らない人の場合、管財事件にかかる費用が捻出できなければ自己破産できません。
そういった個人事業主のために、地方裁判所によっては管財事件費用が安く済む「少額管財事件」という手続きが採用されています。
※各地方裁判所によって小規模管財・少額予納管財など名称は異なる。
ただし、すべての地方裁判所で採用されているわけではないので、あなたが住んでいる地域ではどのような運用がされているのか、担当の弁護士に相談してください。
少額管財事件の自己破産費用は約50万円
少額管財事件にかかる費用は約50万円くらいと考えられます。
少額管財事件にかかる費用
弁護士費用 | 30万円~ |
---|---|
管財人への報酬(予納金) | 20万円~ |
合計 | 50万円~ |
ちなみに費用が高額な管財事件と少額管財事件の違いは、破産管財人の業務をだれがするかという点です。
管財事件は、裁判所で選任された破産管財人が財務調査や免責不許可自由の調査を行います。
一方少額管財事件は、もともと破産管財人が行う業務の一部を、弁護士が代わりに行います。
このように破産管財人業務の一部を、担当弁護士が行うことで、破産管財人への報酬(予納金)を安く抑えることができるのです。
管財事件の予納金の目安は50万円ですが、少額管財事件の予納金は20万円ほどになるでしょう。
ただし弁護士の業務負担が管財事件よりも増えることから、依頼する弁護士によっては弁護士費用が高くなることもあるかもしれません。
また個人事業主の場合、少額管財事件になるかは次の条件を満たしているかで決定されます。
少額管財事件になる条件
- 弁護士に依頼した自己破産手続きである
- 破産手続開始決定から、3ヶ月以内に終結できる
- 売却に時間がかかる財産がある場合は利用できない
- 所有財産が多すぎると時間がかかり管財事件になる
- 不動産がある場合、管財事件になるケースもある
- 裁判を起こさないと回収できない債権があると利用できない
- 債権者への配当が発生しない場合のみ少額管財事件になる裁判所もある
- 債権者数が50社未満
ほとんどの裁判所で、少額管財事件の目安を「債権者数50社未満」としている
条件を見ると、比較的小規模の事業を行っている人が自己破産する場合に、少額管財事件になることがわかりますね。
個人事業主の自己破産に必要な書類
個人事業主が自己破産をする際に準備するべき書類は以下のとおりです。
弁護士に依頼するとき
- 債権者一覧
- 身分証明証
- 個人名義のクレジットカードや消費者金融のカードなど
- 確定申告書直近2年分
自己破産申立てするとき
- 申立書
- 陳述書
- 住民票(事業主のみ。世帯全員の記載のあるもので省略のないもの)
- 銀行通帳とネットバンクの明細直近1~2年分
- 家計簿(2~3ヶ月分)
- 給与明細(2~3ヶ月分)
- 源泉徴収票
- 財産目録
- 車検証
- 不動産の権利証、登記事項証明(登記簿謄本)、固定資産税評価証明書
- 事務所、倉庫、工場等の賃貸借契約書(火災保険証券)
- 保険証券、解約返戻金証明書
これら以外にも、裁判所に提出を求められたら、きちんと提出しましょう。
個人事業主の自己破産に関するよくある質問
個人事業主が自己破産する場合の、事業の継続と自己破産の流れについて紹介してきました。
上記で紹介した内容以外にも、家族への影響や売掛金の扱いなど、個人事業主の自己破産に関するよくある質問をまとめたので、ぜひ参考にしてください。
個人事業主が自己破産したら家族への影響はあるの?
場合によっては、自己破産によって家族に迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。
たとえばあなたの借金の連帯保証人が家族であった場合、あなたが自己破産すると、債務の請求は連帯保証である家族にいくことになってしまいます。
また、事業をするにあたって家族からお金を借りており、返済する前に自己破産した場合、家族にお金を返す義務がなくなることになります。
家族だけ先に返済してしまうと、他の債権者に不公平となってしまうため、裁判所から免責許可が降りない可能性があるので、優先して返済することはできないのです。
その他にも、あなた自身が家や車を失うと家族の生活にも影響が及ぶことになるでしょう。
大切な家族にできるだけ迷惑をかけたくない気持ちは大きいかと思いますが、借りたお金を返済できない状況から抜け出すためにも、家族とよく相談して解決方法を見つけて行きましょう。
自己破産したら売掛金の扱いはどうなるの?
個人事業主の方なら、回収できなかった売掛金が、自己破産することによってどうなるのかも気になりますよね。
せっかく商品を販売したり、サービスを提供したのにもかかわらず、その代金や報酬が支払われないまま自己破産すると、代金を受け取る権利もなくなってしまいます。
売掛金を請求する権利は自由財産としては扱われないので、破産財団に組み入れられます。
そして回収されたお金は破産管財の費用や、各債権者への配当として使われるのです。
ただし、次に該当するケースでは売掛金も自由財産として認められ、残せるかもしれません。
- その売掛金しか収入がなく生活が成り立たない場合
自由財産拡張申立が必要な場合は、認められれば破産者自身が売掛金を回収できる。また裁判所によって自由財産拡張が認められない場合に、売掛金の一部なら認められるケースがある。自由財産拡張を主張するためには、当面の生活費が不足している・債権者に不利益にはならないことを詳細に説明しなければならない。
- 売掛金が実質上の賃金の場合
業務委託など完全歩合の個人事業主は、事実上賃金と同じなので、自由財産として認められる可能性がある。賃金として認められると全額自由財産として手元に残せる。
【まとめ】個人事業主の自己破産はまず弁護士などの専門家に相談しよう
個人事業主(自営業者)が、自己破産後もお店や事業を続けることは、簡単ではないでしょう。
なぜなら自己破産をすることで、事業運営に必要な財産(設備・道具・不動産)が残せなかったり、まだ回収できていない売掛金も債権者に配当されたりするなど、新たに事業をはじめるには金銭面で厳しい状況になるからです。
ただし店舗や事業所を契約することなく自宅でできる事業であれば、自己破産後でも続けられる可能性があります。
まずは信頼できる弁護士に現在の債務状況と、今後のお店や事業の運営について相談してみましょう。
弁護士など専門家に相談することで、個人再生という自己破産以外の方法でも解決できるかもしれません。
なんとか事業を継続したい、できるだけ周囲に迷惑をかけたくないと願うなら、1日も早い相談をオススメします。