「パルティール債権回収会社から、ショートメールがきたけど身に覚えがない」
ある日、突然パルティール債権回収会社から請求書やメールが届いたら驚きますよね。
「パルティールという会社からお金を借りた覚えはない」という方も多いでしょう。
パルティール債権回収会社は、楽天やアプラス等で滞納があった場合に、代わりに督促や取立てを行う会社です。
つまり、楽天カードやアプラスでお金を借りていて、返済をしていない人に対して債権回収を行っているということです。
パルティール債権回収会社からのメールやハガキ・電話による督促を無視していると、裁判所を通して給与差押などされるため、どんなに昔の未払いでも無視してはいけません。
だからといって、直接パルティールに連絡することも、控えることをオススメします。
パルティール債権回収会社から連絡があった場合は、速やかに法律の専門家に相談しましょう。
場合によっては時効が成立して、返済をせずに済むかもしれません。
今回は、パルティール債権回収会社についてや、連絡があった場合の対処法についてくわしく紹介します。
パルティール債権回収株式会社とは取り立て専門の会社
パルティール債権回収会社とは、「日本保証株式会社」が100%出資している債権管理回収業者です。
債権管理回収業=「サービサー」とも呼ばれます。
サービサー法に基づき法務省の許可を得て営業している。主な業務内容は、債権(借金を取立てる権利)の買取りと回収または管理。
債権の回収を行う会社は、法務省に営業許可登録をしていて、パルティール債権回収株式会社は許可番号113で営業しています。
※法務省「債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧」
つまり、取立て(回収)を専門的にしている会社ということです。
パルティール債権回収会社はまず、過去にあなたが滞納したままの債権を債権者から買取ります。
そして債権者に代わって合法的に取立てをするのです。
パルティール債権回収会社は、過去にあなたが滞納したままの債権を債権者から買取り、債権者の代わりに合法的に取立てをします。
パルティール債権回収会社からのメールやハガキは、身に覚えのない請求だと思う人が多いかもしれませんが、もし過去の借金で未払いのまま放置しているものがあれば、その請求が届いた可能性があります。
過去に滞納して放置している借金はないか、今一度振り返ってみましょう。
パルティールは楽天カードやアプラスの未払い分を請求する
パルティール債権回収会社は、以下の金融機関で未払いのまま放置されている債権を買取り、債務者に請求しています。
パルティールが債権回収している金融機関
- 楽天カード
- アプラス
- イオンカード
- 全日信販
- トヨタファイナンス など
とくに楽天カードは利用者も多いため、楽天カードの未払い分の請求があったという口コミが多く見られます。
たとえ数百円、数千円の未払いでも、楽天カード側がパルティール債権回収会社に回収を依頼すれば請求されてしまいます。
また未払い分には利息や遅延損害金が加算されています。債権回収会社に債権がわたるまで長い時間が経っていることが多いので、債権額が高額になっている可能性が高いです。
支払える金額なら払ってしまった方がよいですが、とても払える金額ではないという場合は、法律の専門家に相談しましょう。
滞納から5年以上経過した借金は、時効になっている可能性もあるため、弁護士などにアドバイスを受けることをオススメします。(自分で直接債権回収会社に問い合わせると、時効が適用されなくなる場合もあるので、要注意です。)
パルティールの取立てはショートメールか電話が多い
パルティール債権回収会社は、ショートメールや電話で取立てを行うことが多いようです。
本来ならパルティール債権回収会社が債権者から、滞納している債権を買い取った際、滞納中の人に債権譲渡通知書が送られます。
債務者(借りた人)に、債権者(返済先)が変わったことを知らせるための文書。
しかし、住所変更などの理由により通知書が届かなかった場合、ショートメールや電話で支払いを求められます。
もしメールや着信履歴・留守電メッセージに下表の連絡先があると、それは間違いなくパルティール債権回収会社からの督促です。
パルティール各営業所の電話番号
営業所 | 電話番号 |
---|---|
東京営業所 | ・0120300733 ・0368308080 |
関西営業所 | ・0120946760 ・0648624762 |
東海営業所 | ・0120951302 ・0524593421 |
四国営業所 | ・0120951068 ・0878318530 |
九州営業所 | ・0120951235 ・0924333001 |
まったく身に覚えがないのにショートメールや電話がある場合、その電話番号の以前の使用者に請求している可能性もあります。
無視するという方法もありますが、しつこいようなら間違い電話だと連絡しましょう。
パルティールは悪質な債権回収会社ではない
パルティール債権回収会社は、悪質な取立てを行いません。
なぜならパルティール債権回収会社は、一般社団法人全国サービサー協会が設けている『債権管理回収業の業務運営に関する自主規制規則』(略称「自主ルール」)に従って取立てを行っているからです。
自主ルールには、「債権回収会社に従事する者は、その業務を行うにあたり、人を威圧しその私生活の平穏を害するような言動により、その人を困惑させてはならない。」といった内容の文言が書かれています。
私生活の平穏を害するような言動とは、「正当な理由なく回収する行動」を指しています。
ここでいう「正当な理由」については、請求を受けた人と連絡をとる手段が見つからないなど、致し方ない理由のことです。
ですから、パルティール債権回収会社から怒鳴られたり、脅されたりするような威圧的な取立てが行われることはまずないでしょう。
また法務省に営業許可登録している債権回収業なので、詐欺の可能性もありません。
ただしパルティール債権回収会社の名前を語って、架空請求詐欺をおこなう悪徳な詐欺業者は存在します。
もし借金をしたり、連帯保証人になった覚えがないにも関わらずパルティール債権回収会社から連絡があった場合は、詐欺の可能性があるので直接連絡を取る行為はやめましょう。
パルティールの督促はしつこい?債権回収会社の評判
口コミなどを見ると、「パルティールの督促はしつこい」といった評判を目にするかもしれません。
ですがさきほども紹介したとおり、パルティール債権回収会社はきちんとルールに従って債権回収を行っているため、違法な回収を行っているわけではありません。
ですから、あくまでも個人の感想としてパルティールはしつこいと感じる人がいるようです。
債権回収会社の仕事は、債権を回収することですから、支払いがない間は継続して請求が行われることは仕方がないことかもしれません。
パルティール債権回収会社からの連絡を止めるためには、借金の解決が必要です。
できるだけ早く弁護士や司法書士といった法律の専門家に相談してみましょう。
パルティール債権回収会社から請求が届いたときの対処法
では、パルティール債権回収会社から請求が届いたときに、どのように対処するべきなのか紹介したいと思います。
過去に借金をした覚えがない、連帯保証人にもなっていない場合は、直接パルティール債権回収会社に連絡して、その旨を伝えると詳細を確認してもらえるはずです。
過去に借金滞納や連帯保証人になった覚えがある人は、パルティール債権回収会社から請求があったら、すみやかに法律の専門家(弁護士や司法書士)に相談するのがベストです。
まずはパルティールから届いた内容を必ず確認して相談の準備を進めましょう。
パルティールからの請求内容を確認する
パルティールから請求が届いたら、放置せず必ず内容を確認してください。
金額を確認すると、身に覚えのない高額な請求額が明記されているかと思います。先ほど紹介したように、滞納期間が長くなればなるほど請求される金額が高額になります。
これは滞納期間にあわせて、遅延損害金がどんどん加算されていくからです。
支払期限が過ぎたことによる損害賠償金として、債務者が債権者に対し、法律上当然支払わなければならない罰金。
遅延損害金の年率は、下表のように各金融業者ごと決められています。
遅延損害金の年率
社名 | ショッピング | キャッシング |
---|---|---|
楽天カード | ・一括払い・リボ払い14.6% ・その他支払方法 6.0% |
20.0% |
イオンカード | 20.0% | |
アプラス | 20.0% | |
トヨタファイナンス | 19.9% ※海外利用の場合は6.0% |
|
全日信販 | ※取扱なし | 20.0% |
遅延損害金の計算方法は次のとおりです。
さらに、民法は「利息の支払いを1年以上延滞した場合、債権者がその利息を支払わなければ、その利息は元本に組み入れることができる」と定めています。
つまり当初滞納していた元金が、1年毎に増えていくということ。
下表は、楽天カードで5,000円の未払い金があり、10年経過した場合の元金の変化を表しています。
元金増加の変化例
元金 | 遅延損害金 (年率20%) |
|
---|---|---|
1年目 | 5,000円 | 1,000円 |
2年目 | 6,000円 (5,000+1,000) |
1,200円 |
3年目 | 7,200円 (6000+1,200) |
1,440円 |
4年目 | 8,640円 (7,200+1,440) |
1,728円 |
5年目 | 10,368円 (8,640+1,728) |
2,073円 |
6年目 | 12,441円 (10,368+2,073) |
2,488円 |
7年目 | 14,929円 (12,441+2,488) |
2,985円 |
8年目 | 17,914円 (14,929+2,985) |
3,582円 |
9年目 | 21,496円 (17,914+3,582) |
4,299円 |
10年目 | 25,795円 (21,496+4,299) |
5,159円 |
ご覧のとおり、元々5,000円だった未払い金(元金)が、10年後には25,795円にまで膨らんでいます。
また遅延損害金が発生する以前の、通常利息も元金に組み込まれているため、上表の計算よりも請求額が高額になる可能性が高いでしょう。
※遅延損害金が加算されるタイミングは、各金融業者によって異なる
このように、パルティール債権回収会社からの請求額は、元金(昨年度までに発生した利息と遅延損害金)+現在の遅延損害金の合計となるので、高額請求になってしまうのです。
パルティールからの請求が届いたらすぐ弁護士に相談する
高額な請求がパルティール債権回収会社から届いた、最初は驚くかと思います。
本来ならパルティール債権回収会社に直接連絡をして、今後の返済について交渉するのが一般的な対処法なのですが、債権回収会社からの通知については慎重に対応する必要があります。
なぜなら、直接パルティール債権回収会社に連絡することで、支払う必要がないお金を支払うことになるかもしれないからです。
こちらは次に紹介する「5年以上前の未払いは『時効の援用』で返済しなくてもよい」で詳しく紹介します。
では、パルティール債権回収会社から請求が届いた場合にどうすればよいのでしょうか?
ここまで何度かいいましたが、はやり法律の専門家に相談することが一番です。
弁護士や司法書士に相談することで、時効援用に成功する確率が高くなります。
債権回収会社から請求が届いたということは、支払いが迫られているギリギリの状態なので、できるだけ早く相談しましょう。
5年以上前の未払いは「時効の援用」で返済しなくてもよい
パルティール債権回収会社が督促している債権は、かなり昔の取引であることが多いです。
あなたの借金が最後の返済から5年以上前のものなら、返済義務を放棄できるかもしれません。
借金の返済義務には5年の時効があります。
しかし時効が過ぎたからといって放置していても、勝手に返済義務がなくならないので要注意です!
あなた自身がパルティール債権回収会社に、「請求されている借金が時効を過ぎているので返済しません」と主張しなければ返済義務がなくならないのです。
これを「時効の援用」といいます。
時効援用の手続きは、パルティール債権回収会社に時効援用通知書を送るだけで完了です。
ただし時効援用が成立するまでに借金を認める行為をしたり、返済意思を示すと時効の援用ができなくなってしまいます。
そのため、言動一つ一つに気を使わなければいけません。
【注意】パルティールに支払いの意思を示すと時効援用できない
最後の返済から5年以上経過した借金について、パルティール債権回収会社に少しでも支払ってしまったら時効は援用できません。
これは借金の承認といって、あなた自身が時効援用の権利より返済義務を尊重したとみなされからです。
借金を承認する行為については、具体的に決められていませんが、以下に代表的なものを紹介します。
支払いの意思を示す行為
- 一部弁済
パルティール債権回収会社に自宅訪問された際、少額でも返済してしまう - 支払猶予願い
◯月◯日までに支払う等、返済期限について自ら伝えた - 返済の意思表示
「全額はすぐに払えないが、分割なら支払える」等、返済の意思を示した
このようにあなたが借金の承認をすると、時効経過後でも時効を援用できなくなってしまいます。
パルティール債権回収会社から、メール・ハガキ・訪問によって、過去の未払金を請求されても安易に応えないでください。
時効を援用し、返済義務を放棄するせっかくのチャンスを失ってしまいます。
何度も言いますが、とにかく早めに専門家に相談し時効を援用することが大切です。
また借金の時効5年が経過する前に、パルティール債権回収会社に裁判所手続きをされている人は、その時点で時効の進行がリセットされています。
さらに裁判所から支払い命令が出ると、時効期間は10年に延長されています。
裁判所から支払督促の書類を受け取っていたのに、何もしなければ支払い命令によって強制的に財産を回収されるでしょう。
※書類を受け取っていなくても執行されるケースもある「公示送達」
ですからパルティール債権回収会社から請求された未払い金が5年以上前のものなら、裁判所手続きをされる前に時効を援用して返済義務を放棄しましょう!
パルティール債権回収会社の請求を無視したらどうなる?
パルティール債権回収会社からの請求に心当たりがある人は無視してはいけません。
もし無視をすると、電話連絡や自宅訪問、最終的には裁判所手続きによって強制的に給与を差押えられることもあります。
それぞれどうなるのか詳しくご紹介しましょう。
パルティールから自宅訪問で支払いの意思確認をされる
パルティール債権回収会社の督促は、まずメールやハガキなどで連絡するよう伝えることから始まります。
それはあなたに支払いの意思があるかを確認するためです。
メールやハガキでの督促は比較的頻繁に行われるため、しつこいと思う人もいるようです。
それでも無視していると、支払いの意思確認ができないと判断され、自宅にパルティール債権回収会社のスタッフが訪問してきます。
自宅訪問は、支払いの意思確認をする手段が他になかった場合に行われるようです。
不在の場合には、以下のような通知書が投函されていることもあります。
家にまで訪問されると、やはり支払ったほうがいいのでは?と不安になってしまいますね。
もしかすると、あなたの借金が時効になっている可能性もあるので、パルティール債権回収会社に対して支払う意思の有無については何も伝えないでください!
次に、パルティール債権回収会社からの督促を無視し続けて、裁判所手続きをとられた場合についてご紹介します。
督促を無視し続けると裁判所手続きで財産を差押えられる
メール・ハガキ・自宅訪問で督促されても、無視し続けると最終的には裁判所手続きによって、あなたの給与や財産等を差押えられるかもしれません。
パルティール債権回収会社の裁判所手続きとは、おもに「支払督促」というもの。
申立人(パルティール)の申立てのみに基づいて、裁判所が未納者に「支払い命令」を出す法的措置。支払督促の申立てに対し異議申立てをしなければ、最終的に申立人(パルティール)は強制執行による財産差押えの権利を得る。
また異議申立てをすれば、民事訴訟(裁判)手続きに移行します。
過去に間違いなく未払いがある人は、民事訴訟で勝てる見込みは少ないでしょう。
パルティール債権回収会社に裁判所手続きをされると、強制的に取立てられてしまうということです。
まだ裁判所手続きがされていないなら、先に紹介した「時効の援用」ができないか、弁護士や司法書士に相談してみましょう。
もしパルティール債権回収会社への返済を免れない場合は、次に紹介する任意整理という方法で、支払い猶予の交渉を検討してください。
任意整理でパルティールに支払い猶予を交渉する
「パルティール債権回収会社に返済しないといけないけど、高額で払えない」
時効援用の対象でない人は、パルティール債権回収会社に返済しなければなりませんが、高額ですぐに返済できない人もいるでしょう。
どうしても払えない場合は、利息や遅延損害金をカットし元金のみを払うという方法があります。
減額交渉による「任意整理」という方法です。
任意整理は、専門家(弁護士・司法書士)がパルティール債権回収会社と交渉し、今後の返済方法を話し合うというもの。
交渉が成立するためには、あなたの現在の収入や支出・他社からの借入状況などの総合的な判断が必要です。
※場合によっては任意整理ができないケースもあります。
任意整理については弁護士や司法書士に相談してください。
パルティール債権回収会社から請求されたら早く専門家に相談を
今回はパルティール債権回収会社から請求があった場合の対処法について紹介しました。
パルティールという会社名に覚えがなくても、楽天カードやアプラス、旧武富士といった金融機関で滞納したまま放置した借金があれば、それらの請求であると考えてよいでしょう。
もし請求額が数万円で、すぐに支払えるような金額なら支払ってしまっても良いと思います。
請求額が高額ですぐに支払えない場合や、滞納から5年以上経過した借金の請求があった場合は、すみやかに法律の専門家に相談しましょう。
とくに借金の承認(一部返済など)があれば、時効を援用できなくなるので、パルティールから請求されたらすぐに専門家に相談してください。
また時効を援用できない人も、どうしても支払えない場合は、任意整理による減額交渉が可能です。
任意整理についても、裁判所手続きをされる前に早めに弁護士や司法書士に相談しましょう。